2024年12月版
今回の内容
【ウンチ処理は、大問題】
犬のウンチ処分方法は多くの場合自治体で決められていて、可燃ごみとしての処分とトイレに流す処分の二つがあります。
私が住んでいる市のごみの分類には、犬のウンチは記載がありませんが、オムツは、汚物を取り除いて燃えるごみに出すようになっています。
ネットで市の情報を検索してみたのですが、路上にウンチを放置しないで持ち帰ることは山のように書いてあるのですが、ウンチの処分方法の情報はありません。オムツから考えると犬のウンチも燃えるごみに出して欲しくはないのかもしれません。「汚物を取り除いてトイレに流す」には気が重くなります。
先進国のように犬のウンチ専用のごみ箱が設置されていればどんなにいいか。
【さまざまなウンチ処分方法と難しい問題】
犬のウンチの処分方法をまとめると、次のようになります。
1 燃えるごみとして出すときの問題
最大の問題はゴミの回収は週に2回程度なので、その間の臭気が問題です。広い庭でもない限り防臭や消臭袋、臭いが漏れないゴミ箱の利用が必要になります。
その都度ウンチをトイレに流しても、臭いがついた外袋(ポリ袋)は燃えるゴミなので、状況によっては防臭、消臭対策が必要になります。
2 トイレに流す場合の問題
2のトイレに流す場合は、良い話と悪い話があります。良い話は、犬のフンをトイレに流すための特別な袋が売られています。この袋は水溶性の紙袋とポリ袋の二重構造で、ウンチがくるまった水溶性の袋だけをトイレに流します。価格は1枚8円程度です。悪い話は、トイレや配管のつまりが問題になるため、単純に流せないことです。これについては後で詳しく説明します。
3 土に埋めるなどの問題
3土に埋めるは、周りに家がなく、小さなスコップでも穴を掘りやすい空き地があれば物理的には可能でしょうが、ウンチを埋める
となると厳しいと思います。もしくは広い所有地が必要です。誰でもできる方法ではありません。
「4その他の燃やすや生ごみ処理機」は乾燥時間、方法、コストが問題です。
4 ウンチの放置問題 みんなが迷惑
放置したウンチはなんとなく数日で消えてなくなりそうですが、予想以上に長く形が残ります。ウンチが消えたのはほかの人が処分してくれたか、もしくは誰かが踏んで薄くなり、わかりにくくなっただけです。
袋を忘れて回収できない場合は、他の飼い主に袋を借りたり、後で回収しましょう。
30年以上前のフランスのパリには「左足で犬のウンチを踏むと幸運がやってくる」といわれるほど放置糞が多くありました。語学の教科書にあった「地中海に入るのは右足でウンチを踏むのと同じだ」という話だけは今も覚えています。当時のパリのウンチは散水車による道路掃除のときに水で下水道に流されます。うんち禁止の看板だけで処分するシステムのない日本ではウンチを放置することは誰かに迷惑をかけ、自ら首を絞めるようなものです。
法律では、公共の利益に反するほどひどければ軽犯罪法第1条27号に該当し、拘留または科料です。なかなか適用が難しいらしいので、一部の市町村では条例が制定され罰金が科せられます。
しかし罰金より怖いのは近所の方やきちんと処理する犬の飼い主の目かもしれません。野良犬のウンチであっても、犯人を捜す世間の目は厳しく冷たいものです。特に食糞で困っている犬の飼い主からは恨まれること必定です。
犬は飼い主どうしや地域の人との交流を自然に作りだし、幸福な空間ができます。故意にうんちを放置する方はこの空間を放棄され、災いを招いているようで残念です。自分のためにもペットのウンチは持ち帰るのが鉄則です。
【こんな場合は、トイレに流せない?】
トイレに流す場合は、トイレや配管のつまりと浄化槽への影響を考える必要があります。場合によってはトイレに流さずに燃えるごみとして処分することになりますが、生ごみで出せない地域や保管中の臭いが問題になる場合は悩ましい問題です。
一般的に次の事が言われています。
1 浄化槽や節水型トイレに流せない理由は?
「浄化槽に流せない」については、「硬く分解しにくいので流せない。」「糞に含まれる毛などの異物を分解する菌が少ない。」「糞に含まれる病原菌や寄生虫のリスク」です。「節水型トイレに流せない」については「流す水の量が少ないので犬のウンチは最後まで流れない。」などの理由を見つけることができます。
しかし、ウンチが硬くなければ良いのか?菌は浄化槽内に1㎖に1千万から1億生息しているのに、犬のウンチは分解できないのか?浄化槽の容量に余裕があっても犬のウンチは分解できないのか?犬のウンチに含まれる病原菌などや毛の量はリスクになるほど多いのか?節水型トイレは水を多めに流せば良いのか?・・・正直、何が正しいのかわかりません。
2 詰まりやすいトイレに流せない理由は?
犬用のトイレに流せる袋は、水溶性の紙袋を使っていますが、トイレットペーパーと比べると厚く溶けにくい傾向があります。ヒトが普通に使って配管が詰まりやすいなら、リスクが高まるのでトイレに流せる袋は流さないことをおすすめします。
3 1回で流せるウンチの量は?
1日当たりのウンチの量は、次のように言われています。
ヒトの通常の排泄回数は1日1回から2回のため、トイレで1回に流せる量は200g程度だと思われます。計算上は、1日2回排泄する中型犬は、この半分の量になるため、この数字を信じるならば、流しても問題ない量になります。しかし、余裕を考えると半量ずつ流すなどの方法が必要かもしれません。
別の問題としてヒトに比べ固く分解しにくいので流しにくいという意見もありますが、犬にもよるし、どうなんでしょうか?
参考
この便量は少ない?多い?不安を解消するウンチの知識 https://www.mayado.jp/library/constipation/stool-quantity.html
犬の正常な『ウンチの量・状態』とは?一日にする・・・ https://wanchan.jp/column/detail/47796
4 トイレに流せない異物って何?
異物とは水に溶けないものです。なので砂や土、葉、ティッシュも異物に入ります。ウンチの粘着性にもよりますが、地面に落ちたりすると異物が付着するリスクが高まります。トイレに流すには、直接ウンチをキャッチすることが必要になります。
これ以外に、犬のウンチは人間よりも固く軽いため、水に浮いて流れにくいので、詰まる可能性があるとの指摘もあります。人間のウンチも浮くことがあるので難しい判断です。
このように現状ではトイレに流す判断ができる情報が十分とは言えません。トイレに流す場合は、自己責任で流すことになります。
【トイレに流せる袋 まさかの盲点】
1 外側のポリ袋が薄いと臭う
トイレに流すには、家の中に入ってトイレに行く必要があります。この時に外側のポリ袋が薄いと家の中に臭いをぶちまくことになります。価格が安いことは良いことですが、外側のポリ袋の厚さにも注意が必要です。
2 内袋と外袋がつながっていないものが流しやすい
トイレに流せる袋の想定された使い方では、フンキャッチャーに装着しません。内側のポリ袋に手を入れて外側の水溶性紙でウンチを拾います。この時に外側の水溶性紙だけが抜け落ちてしまうことがあります。これを避けるために水溶性紙がポリ袋にほんの少し接着されている袋があります。このような袋はトイレに水溶性紙だけを流そうとしてもポリ袋と接着していて流しにくい場合があります。フンキャッチャーは袋が落ちる心配がないので、接着していないものがおすすめです。
【次回】
第2回 犬のウンチ袋 知らなかった! 防臭の仕組みから価格まで
犬のフンキャッチャーに関する情報を5回シリーズでご紹介します。
【“らふーん”について、もっと知りたい方は、以下のページをご覧ください。】
(1)参考 らふーんの紹介、使い方動画(YouTube)
(2)販売ページ
【書いた人】
くにのぶ商店店主 國信 耕太郎
フンキャッチャー斜め下から探訪者 らふーん考案者